MPAとは何か

環境トピックス

 海洋生物多様性の保全や持続可能な資源管理などの手法として海洋保護区(MPA:Marine Protected Area)が取り上げられることがあります。では、MPAとは一体どのようなものなのでしょうか。

日本におけるMPA

 日本では、2008年にMPAが初めて政策文書に記載され、2011年3月に環境省によって以下のように定義されました。

 MPAの定義

「海洋生態系の健全な構造と機能を支える生物多様性の保全および生態系サービスの持続可能な利用目的として、利用形態を考慮し、法律またはその他の効果的な手段により管理される明確に特定された区域」

 環境省が上記の定義に合致する海域の選定を行ったところ、その総面積は、日本の排他的経済水域の約8.3%になりました。

 MPAに関して重要なことは、MPAに該当している区域をいかに管理していくかです。当然、MPAの面積や数を増やすことも大切ですが、MPA自体は目的ではなく手段であるということを忘れてはいけません。

アジアにおけるMPAのパイオニア フィリピン

 フィリピンはアジアで初めてMPAを設置した国であり、現在1000近くのMPAを有しています。

 フィリピンはこれらのMPAを保全・維持していくためにダイビングボートを含むすべての船舶のアンカーの設置を禁止しています。また、資金調達の手段として、MPAへの入場料を設けています。

 しかし、これらの収入の不透明さや管理人への給料未払いなどの問題も抱えています。

最後に

 日本のMPAは未だ発展途上にあります。今後も海洋環境・資源の保全のための効果的なMPA政策が求められています。

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