3分でわかる!進化論の歴史

 生き物の進化はどのようにして起こるのでしょうか。この疑問に対して、現代に至るまでに様々な学説が登場してきました。この記事では、時代とともに変化してきた進化論の歴史と、それぞれの進化論の考え方について紹介していきます

進化論の歴史

  まず初めに、これまでに発表された主な進化論たちを年表にまとめてみました。

 1809年 ラマルク「用不用の説」

 1859年 ダーウィン「自然選択説」

 1901年 ド・フリース「突然変異説」

 1968年 木村資生(きむらもとお)「中立説」

用不用の説

 「用不用の説」は、1809年にラマルクが出版した「動物哲学」にて紹介された進化論です。この本では、「よく使われる器官は発達し、そうでない器官は退化していく。また、そのようにして獲得した形質は、遺伝によって子に伝えられる。」といった内容が述べられています。

 ここで一つの具体例を挙げます。キリンが高い木にある葉を食べたいと思い、一生懸命首を伸ばしたとします。これを繰り返しているうちに徐々に首が長くなり、やがて子どもを産んだ時には、その子どもにも首が長いという形質が遺伝すると考えたのです。さらに、このようにして進化が行われていくと考えました。

 しかし、この説は現在否定されています。それは、獲得形質が遺伝しないとされているからです。獲得形質とは、その個体が学習などの後天的に手に入れた形質のことです。どんなに親が筋トレをしても、その子どもがマッチョで生まれてくるということはあり得ません。

自然選択説

 1895年にダーウィンの著書である「種の起源」で発表された「自然選択説」は、先ほどの「用不用の説」の考え方を覆す革命的なものでした。

 「自然選択説」では、個体間の差異に注目し、環境に適応した形質をもった個体が生存競争に勝つことでその形質が広まり、進化がおこると考えたのです。先ほどのキリンの話で言えば、首の長いキリンとそうでないキリンがいて、首の長いキリンだけが高い木にある葉も食べることができます。すると、生存競争に有利となり、結果として多くの子孫を残すことになります。この場合、首が長いという形質は先天的であるため、子孫のキリンも首が長くなります。

突然変異説

 1901年にド・フリースが提唱した「突然変異説」は、「生物の進化は突然変異によっておこる」としたものです。

 ド・フリースは、オオマツヨイグサの栽培実験から、同じ環境下で中間形をたどることなく、多くの突然変異体が発生することを発見しました。そして、突然変異体が有する形質は、次世代にまで遺伝することも発見しました。つまり、徐々に姿が変化するのではなく、ある日突然姿が異なる個体が現れ、それが遺伝によって増えることで進化が起こると考えたのです。

中立説

 1968年に木村資生が発表した「中立説」は、DNAの塩基配列の変化に注目したものでした。生き物が進化する過程でDNAの塩基配列は変化するのですが、木村資生はこれらの変化したDNAの中には、有利でも不利でもない形質に関するものも含まれることを明らかにしました。

 先ほどからのキリンの話で考えれば、生存に有利不利に関わる首以外にも様々な遺伝的多様性(差異)が存在したのです。

 このことから木村資生は、DNAの塩基配列の変化は有利でも不利でもない中立的なものが大半であるとした「中立説」を提唱しました。

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