3分でわかる!ダーウィンの自然選択説

 1859年にダーウィンによって発表された「種の起源」で提唱されている自然選択説について紹介します。

自然選択説とは

 ダーウィンが唱えた自然選択説を簡単に説明すると、「環境に適応して有利な形質を手に入れた個体が、生存競争に勝ち、子孫を残す」といった感じになります。

 この一文に含まれる「適応」「生存競争」は、ダーウィンの自然選択説における最大のキーワードとなります。

全ての子が大人になれるわけではない

 自然界の生物たちは、日々、競争や天敵からの襲撃などにさらされた厳しい環境で生活しています。そのような状況では全ての子どもが大人になれるわけではありません。当然、成長過程で食べられてしまったり、競争に負けて弱って死んでしまったりする個体も存在します。

 では、大人になれる個体と、途中で死んでしまう個体にはどのような違いがあるのでしょうか。ここで先ほどの「適応」と「生存競争」が登場します。

個体ごとに形質は異なる

 同じ種類の生物であっても、その形質は多少異なります。これは私たち人間を見れば明らかです。自然界においては、このような形質の違いが時として生存に大きな影響を与えることがあります。

 偶然、環境に適応した有利な形質を手に入れた個体は、生存競争に勝ち、無事大人になって多くの子孫を残すことができます。すると、その子どもたちの中には、親が持っていた生存に有利な形質を手に入れた個体も存在するようになります。

 このようにして、生存に有利な”ある特定の形質”が広まっていくこととなります。このような考え方こそが自然選択説なのです

自然選択は選択圧によってもたらされる

 ここまで、環境に適応した個体が生き残ると説明してきました。では、このような自然選択がどのようにして起こるのでしょうか。

 それは、選択圧と呼ばれるものによって引き起こされます。例えば、雨に強い個体と弱い個体(どちらも同じ種)が存在したとします。もし、生息地の降水量が偶然増加したときには、雨に強い個体が生存競争に勝ちそうです。

 このように選択圧は、例の降水量のように自然選択を引き起こす要因となります。こうした選択圧が生物に働くことによって、自然選択が起こり、進化が起こるのです。

「生存競争」という言葉の意味

 最後に、「生存競争」という言葉の意味について説明します。

 生存競争について誤解された認識の一つとして、生存競争は異種間における競争であるとしたものがあります。しかし、実際は生存競争とは同種内の異なる個体間における競争を指しています

 自然選択説を提唱したダーウィンの「種の起源」においても、異種間での競争についての議論は行われていません。

まとめ

 ダーウィンが唱えたのは「自然選択説」。

 自然選択説とは、適応した形質をもった個体が自然選択説によって生存競争に勝つこと。

 自然選択は選択圧(環境や配偶相手の好みなど)によって引き起こされる。

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