カリフォルニア州 山火事

2020.8.30

 アメリカ西部のカリフォルニア州では、史上最悪規模の山火事が発生している。州の発表によると、2020年8月26日現在でおよそ50万haが消失したという。50万haと言えば、東京都のおよそ二倍の面積である。この火事によって1400棟の建物が被害を受け、17万人の人々に避難命令が出されている。新型コロナウイルスの影響によって、避難活動は難航しているという。

止まらぬ火災

 アメリカ西部、カリフォルニア州のロサンゼルスでは、先月31日以降、各地で山火事が発生している。現在もその勢力が弱まることなく、むしろ拡大の一途をたどっている。特に、8月12日に発生した山火事では、火が急速に拡大して、地元メディアによると、一日に4000万㎡が焼失したという。これは、東京ドーム870個分ほどの面積である。

 また、カリフォルニア州の消防局の発表によると、現在発生している二つの大規模な火災は、それぞれ歴代二位と三位の規模になっているという。

 カリフォルニア州は、今年になり7000件の火災が発生し、前年よりも63%増加していると発表した。焼失面積に注目すると、一年前の25倍になっているという。

原因は雷と熱波

 カリフォルニア州での深刻な火災の原因は、雷と熱波であると考えられている。

 カリフォルニア州では、8月に多くの雷が観測された。カリフォルニア州のニューサム知事は、24日の記者会見において、直近の24時間で300の落雷を観測、新たに10か所で山火事が発生したことを発表した。山火事が発生する最も主要な原因となる雷は、現地でも懸念され、知事は「落雷が最も影響が大きく、いちばんの問題だ」とコメントした。

 さらに、カリフォルニア州の気候も火災に関与している。カリフォルニア州では、40度近い高温と乾燥が続いている。8月16日には、カリフォルニア州デスバレーにおいて54.4℃を観測したことを、アメリカ国立気象局が発表した。地元の消火担当者は、「強い風が吹いていないにもかかわらず、延焼が異常な速度で続いている」と話し、乾燥した日々が続くことを懸念している。

 カリフォルニア州は現在、多数の落雷によって発生した火災が、熱波によってさらに広がるという負の循環に陥っている。

カリフォルニア州 過去の山火事

 カリフォルニア州では、近年、毎年のように火災が発生している。

 2017年12月には、ロサンゼルス近郊のベンチュラなどで大規模な山火事が発生し、焼失面積は11万4000haにのぼった。

 また、2019年7月には、サンフランシスコの北部のメンドシーノ郡周辺で大規模な山火事が発生し、焼失面積が18万5800haに達した。この面積は、記録がある1932年以降カリフォルニア州の山火事としては最大である。

 現在発生している山火事は、すべての面積を合計すると50万haとなり、その規模の大きさをうかがうことができる。

参考文献

カリフォルニア州消防局公式ツイッター.2020.8.30.CAL FIRE(@CAL_FIRE).

Bloomberg 米カリフォルニア州の山火事、歴史的規模に-焼失面積は1年前の25倍.2020.8.30.

NHK 米 カリフォルニア州の山火事 40度近い高温と乾燥で燃え広がる.2020.8.30.

NHK 米カリフォルニアの山火事 過去最悪規模に広がる 7人死亡.2020.8.30.

コメント

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